プロジェクト概要
総務省委託事業「グローバル量子暗号通信網構築のための研究開発」量子中継技術
総務省委託事業「グローバル量子暗号通信網構築のための研究開発」では、グローバル規模で量子暗号通信が可能なネットワークの実現に向けて、国家間や国内重要機関間、また医療・金融分野等での機密情報のやりとりをユースケースとした要素技術の確立に向けた研究開発を実施します。具体的には、実用性が高く、かつ通信のさらなる高速化・長距離化が可能な(I)量子通信・暗号リンク技術、(II)トラステッドノード技術、(III)量子中継技術、及び(IV)広域ネットワーク構築・運用技術、の確立を目指します。
このうち、量子中継技術では、地上系において、量子暗号通信の更なる長距離化、及びトラステッドノードよりも安全な暗号鍵の中継を実現するため、量子中継技術に関する研究開発を行います。具体的には、ネットワークの中継点において量子状態を一定時間保持できる量子メモリ技術やその周辺技術の開発、また全光量子中継や波長多重量子中継等の新方式の基盤技術開発を行います。
量子中継技術「量子メモリの光リンク技術」グループ
「量子メモリの光リンク技術」グループでは、ネットワークの中継点において量子状態を一定時間保持できる量子メモリ技術やその周辺技術の開発、また全光量子中継や波長多重量子中継等の新方式の基盤技術開発を行います。
量子メモリを用いた量子中継方式の開発に不可欠な、ネットワークの中継点において量子メモリの高速かつ高忠実な量子メモリ内での量子操作技術を確立し、量子メモリと光子との量子メディア変換、量子メモリ内での量子もつれ生成、量子メモリ間での量子もつれ測定などの高速化や高忠実度化といった量子メモリ性能の向上を目指します。
ダイヤモンドへのドーピング等による電荷安定化、ダイヤモンドの電気的・光学的構造等の微細加工やダイヤモンドへの欠陥導入による高機能化、ダイヤモンドの微小光共振器作製などの技術開発を行い、量子メモリ性能や光リンク効率向上を目指します。
量子ビットであるカラーセンターの高度化を目指します。具体的にはダイヤモンド(100)結晶および(111)結晶の成長において、高純度化と単一光子源形成のための結晶成長技術開発を行います。
量子メモリの高性能化のためのダイヤモンドフォトニック結晶微小共振器の設計を行います。ダイヤモンドへの微細パターン形成技術の開発に取り組み、ダイヤモンドフォトニック結晶共振器の実現を目指します。
量子中継技術「量子中継基盤技術」グループ
「量子中継基盤技術」グループでは、量子メモリ間のリンクを大規模化していくため必要な周辺技術の高度化や、新しい量子中継方式の検討など、量子中継の基盤技術を確立するための研究開発を行います。
準備中です。
光通信波長帯の光ファイバー型波長多重量子もつれ光源を利用して多数ノード間を相互接続する波長多重量子中継技術の開発を行います。また、波長多重量子光を、量子メモリが動作する別の波長へ相互変換する量子波長変換モジュール技術の研究開発を行います。
量子中継技術で必要とされる高いレートでの量子メモリ間の量子もつれ生成のために、ダイヤモンド量子メモリ光インターフェースの単一モード光ファイバーへの高効率の光結合を可能とする光ファイバー実装モジュールを作製し、安価で小型かつ安定なシステムを構成することを目指します。
NV中心と超伝導単一光子検出素子を集積化するための基盤技術を確立し、NV中心からの発光光子を集積化された超伝導ナノワイヤ単一光子検出器で検出するための研究開発を行います。また、超伝導単一光子検出素子の高速応答の実現を目指します。